高山村の住宅改修
用途 :住宅
住所 :上高井郡高山村
規模構造 :木造2階建
面積 :235.14㎡(施工床面積48.43㎡、3.89㎡の増築)
施工者 :竹節建築
竣工年 :2022
長野平の東部に位置する上高井郡高山村の住宅改修。
築50年を超す住宅であり、これまで増築を繰り返した結果、1階だけで200㎡をこえるような大きな住宅であった。東西に玄関があり、それを結ぶ長い中廊下の南側に二間続きの和室や居間が並び、北側にキッチンや納戸・風呂などが並ぶ典型的な間取りであった。
今回の改修では、中廊下の動線をコンパクトに整理しつつキッチンを新しくしてダイニングと薪ストーブのスペースを広く確保したいという希望であった。また、サッシを入れ替えて断熱性能のあるものにし、床・壁・天井の断熱性能向上も併せて行った。一方、南側二間続きの和室はそのまま遺したいという事であった。
改修する部屋はいずれも北側に寄っており、何も工夫しなければ昼間でも明りが必要であったので、明るさと開放性・南側の二間続きの和室との一体性を持たせられる間取りを目指して試行錯誤した。
料理好きなご夫婦のために、人工大理石の原板ぎりぎりで製作可能なアイランドキッチンをデザインした。ダイニングと連続させたキッチン・ダイニングには天窓と、北側にあえて大きな窓を設けてベンチとした。窓越しには葡萄畑やその向こうの山が見える。南の和室には引違い襖を撤去して新しく2間(約3.6m)幅で開放できる引き分け障子とした。この障子を開けると和室や広縁を通して南側の庭を眺めることができる。
2階の部屋は、もともと西壁面全体に造付家具があったが全て撤去して北西角に新しく窓をあけた。ここから広大な葡萄畑や長野市街地の遥か向こうに北アルプス連峰が見える。落ち着いてゆったりした寝室の雰囲気にするため、床の一部にはウールカーペットを敷いている。