千曲市にある古い家の住宅改修。

既存外観写真からも伺えるように、立派な屋根のある大きな住宅である。しかし、断熱材はほとんど無く、玄関を開けると廊下から2階まで風が通り抜ける寒い家であった。

今回の改修では、重い屋根に見合った耐震補強と断熱改修が主な工事となった。その一方で親子３世帯の７名が住みやすいよう、あまり使われていなかった部屋をつないだり、新しく仕切り直して寝室や勉強室、ウォークインクローゼットを整えた。広い家のようで、実際には現代の暮らし方に必ずしも合わない部分は改善し、古き良き部分は大切に遺すことを意識した。

玄関は外観上重要な部分であるが、入母屋の屋根位置が高く間延びして見えた。機能的には屋根が高いせいで雨が南から降ると中に降り込んでしまう。和風住宅のプロポーションと機能性を両立するために新たに庇を設け、玄関戸を木製建具で造り直すことで雰囲気を整えた。